元消防士でしたので、一般の方より『消防法』が得意です・・・
しかし、17年間の消防人生で、一度も事務経験は無く、災害現場一筋でしたので、『完璧に熟知』しているわけでも無く、『消防法』というのは、何かしらの大きな災害がある度に『消防法の改正』が行われますので、3年も離れれば、変わっていることもありますので、参考程度にしてくださいね・・・
そして、一般の方にわかりやすく、突っ込みすぎずに説明が出来ればと思ってます・・
まず、消防法には大きく分けて、特定防火対象物と非特定防火対象物とに別れます・・・
普通の戸建て住宅やマンション(共同住宅)は「非特定」、旅館や病院、学校などは、多数の者が出入りする施設として「特定」という分類になります・・・
ここで、ゲストハウスの場合は、簡易宿所という旅館業であるため、営業する時点から『特定防火対象物』となります・・・
ゲストハウスを行うと、100㎡未満の物件などの面積に関係なく必要となってくる消防用設備があります・・・
まずは、『誘導灯』ですね・・・
これは、火災の場合の『避難経路』を示す大事な設備です・・・
そして、ご存知の方は少ないかと思いますが、なんと平成27年4月1日より面積に関係なく『自動火災報知設備』が必要になっております・・・
これは、2012年(平成24年)に発生した福山市ホテル火災を契機に大改正された消防法で新たに規定されたものです・・・
以前は、300㎡未満の場合は、設置義務なしでしたので、多くの小規模ゲストハウスが該当してきますね・・・
ちなみに、施行前に運営していたゲストハウスの場合は、平成30年3月31日まで経過措置がありますので、それまでには設置しなければなりませんので・・・
さらに面積に関係なく、3階建ての建物で、屋内階段が1つしかないような建物の場合、『特定1階段』という、かなり厳しい条件になりますよ・・・
これは、2001年(平成13年)9月1日に発生した歌舞伎町雑居ビル火災で、44名もの尊い命が失われた火災を契機に大改正された消防法で新たに規定されたものです・・・
自動火災報知設備も通常のものでなく、再鳴動式といい、繰り返し鳴動するもの・・・
避難器具も一動作で使用できるようなものです・・・
これ以上は難しいので、詳しく知りたい方はこちらからどうぞ・・・
さて、宿泊所をするにあたり、消防用設備で面積に関係なく設置義務があるものは、ざっとこれくらいでしょうかね・・・・
ここからが本題です・・・
民泊の場合・・・
一棟の建物で行っている場合や、マンションの一室で行っている場合があります・・・
一棟の場合は、消防法的には『不特定多数』が対象となるため用途は『専用住宅』から『旅館・ホテル・宿泊所(簡易宿所・カプセルホテル・無料宿泊所など)・その他これらに類する施設』になります・・・
そして、マンションの一室で『民泊』している方、マンションであれば『非特定防火対象物』の『消防用設備』が設置してありますが、一つの部屋で『民泊』することによって、建物自体が『複合用途防火対象物』となります・・・
『複合用途防火対象物』の中に『民泊』=『特定防火対象物』特定防火対象物が入ることによって、建物自体が『非特定防火対象物』から『特定用途防火対象物』に変わってしまします・・・・
(面積等により緩和措置がある場合がるため、最寄りの消防本部に要相談)
民泊による『火災』で死傷者が出てからでは遅いのです・・・
『民泊』をすでに行っており、宿泊の対価として『金銭の授受』がある時点で、『消防法』に従う必要があります・・・
(細かく言えば『無料宿泊所』も該当しておりますが)
民泊による火災で、死傷者が発生する前に、しっかりとした対策を考えてから『民泊ビジネス』を行うことをオススメいたします・・・
SNSなどで、『民泊物件自慢』などをよく見ますが・・・
あなたの『民泊物件』は大丈夫ですか・・・???
『旅館業法違反』もそうですが、宿泊者の命を守る『消防法』のことを知ってますか・・・??
後ろめたい気持ちで『民泊』やって、金儲けしている方は、最寄りの消防署へ相談してみることをオススメいたします・・・
あくまでも、現役の消防士ではありませんので、参考程度にしてくださいね・・・
この後の行動は『あなた』次第ですから・・・・
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